タイトル『AとB,bとa』
3年前の今頃、なぜか海にハマっていた。
と言っても、泳いだりサーフィンや釣りをする訳ではない。
ただ単に海に行きたかった、それも毎週訪れる頻度ではなく
その年たった数回訪れただけのプチマイブームが3年前の秋。
新店舗オープンから半年経ち、落ち着いたので久しぶりに海に行く事に。
ゲストハウスを営む私が旅で泊まるのは、勉強も兼ね勿論”ゲストハウス”•••
と言いたい所だが、自分がゲスト側でも周囲に気を使う職業病性分のため
旅はあえてホテルに泊まるのが主流。
今回訪れたのは、3年前にも幾度か訪れている海の目の前に立地するホテル。
チェックインを手短かに済ませ、早速ここの売りの一つである最上階の展望露天風呂に浸かる。
せっかちな私は最短3分、どう我慢してみても5分が限界で湯船からあがる。
この温泉スピーディー化?
何も今回だけでなくこれが通常。普段、ゲストさんに「ちょっと温泉行ってきます!」
挨拶して温泉へ。宿へ帰った時「早っ!トイレに行ってたんですか?」
と疑われる程、どうやら本当の温泉の楽しみを
”掛け流し”ている様だと、最近自覚しつつある。
それでも、ここでの温泉、それはあくまでもその後の楽しみのプロローグ。
その楽しみとはホテルのビーチ!
いつ訪れても静かなこのビーチは180度大パノラマが待っている。
左手には無人島がちらほら、海上では小舟がエンジンを止め釣り糸を垂らす光景、
正面には桟橋、右手には橋をいそいそ行き交う車が見えている。
ビーチに掛かるその”桟橋”が私の定位置。
この桟橋にはいつも2槽の船が停まっている。
その船の袂、小刻みにゆれる桟橋のはるか上の方で太陽が営業活動中をアピールしているが
こちらはノープロブレム!
売店で買った缶ビールを開けてグイッと飲む。
これが宿へ到着後のいつもの儀式
心身共にオンからオフモードへスイッチが切り替わる。
これが私の海の楽しみ方!
こんな楽しみのために、わざわざ海に来る必要があるのだろうか?
そこは、、、あえて自分で突っ込まず「海はいいね~!」と
まるで小学校の運動会100m走で3位になった程の笑顔と満足感に浸される。
我ながら単純だとは思うが、海とビールの相性は絶妙である。
さて、そんな”海とビールタイム”を暫く楽しんでいると
太陽が本日の営業を終了しようとしている。
そうなると、私のもうひとつの楽しみが始まる!
それは夕食+α。食事は宿で食べる事もあれば近くの居酒屋へ行く事も。
ただ、夕食はどうあれ必ずココへ泊まる楽しみだけは外せない!
それは、このホテルの”Bar”である。
その”Bar”は完璧と言っていい。
ホテルの母屋から離れた高台にひっそりと佇み、人がだれもいない森の中と思う程の静寂。
更に見晴らし良く、眼下に広大な海を眺める野外の足湯、室内にはテーブルとカウンター席。
どこに座っても居心地良く、気取った雰囲気は微塵も感じさせない。
人それぞれに好み、クオリティに違いを感じるのは当然としても
ここは誰にオススメしても訪れた人は「紹介頂いたBarよかったです!」
と後で報告を受けては、我が店の様にうれしくなる。
私は、ここへ来るとまず、野外の足湯に足を預けながら、カクテルと小説を読むのが始まり。
ひと息して2杯目は中へ入りカウンターへ。
さあ、何を飲もうかな?
とメニューを開ける事なく
マスター「今の旬のこの果実。これは地元の○○さんの畑に行き直接頂いてきた物です
これでフレッシュカクテルはこの地域ならではの香りを楽しめますよ!」
その一言を待ってました!
と素直にそれを頂く!その味!いえ、そこに至までの雰囲気とのマッチング!
果実を絞り、カクテルを作っていく、その一連の流れはまるで手品!
「どうぞ!」と目の前にカクテルが訪れ、一口!そりゃ!うまい!!
そんな”マイ海ブーム”あれから3年の月日がながれる。
来ようと思えば来れる、ただなかなか足が向かなかった。
そして、ようやく訪れたのが3年ぶりとなる今回。
今回も温泉~”海とビールタイム”~太陽営業終了までフルコースの流れは完璧!
さあ夕食+αの時間だ!今回の夕食は部屋食で海の幸を頂く
デザートになると「もう夕食は食べ納めか」
と思う反面ようやくバーに行ける!とうれしくなる!
そして、3年ぶりに訪れた”Bar”
3年前と変わらず足湯、庭の見える窓のある室内空間とダウン照明。
今回は足湯ではなく、久しぶりにマスターと話したい!と思い真っ先にカウンターへ。
席につき、ふとマスターの顔を見る•••。
えっ!マスター30才位若くなった?
3年前の記憶を元にマスターの顔を思い出すが
やはり目の前のマスターではない。
いや!雰囲気も店構えも3年前とまったく同じ!
ここはきっとあの感動を誰でも出せる仕組みに違いない!
そう思い直し、落ち着いて出されたメニューをじっと眺める。
•••えっ!フレッシュ果実のメニューがない。
そうか!
そういえば3年前も言葉のかけあいでこそ
果実の話が出てフレッシュカクテルを注文した。
ならば、今回も「すみません!天草の果実を使った
旬のカクテル来ますか?」
マスター「果実はないんですよ!」
間違いない!違和感は正しいと気づく。
”Bar” へ入った瞬間、なにか違和感を感じていた。
それは”空気感”と呼ぶが適している。
”Bar”の売るものはモチロンお酒。
しかしそのお酒をいかに楽しく
心地よく飲む事ができるか?それが雰囲気であり
スタッフの気遣いだったりする。
たとえ、同じ場所、同じ雰囲気でもスタッフの心構えで
見事にまったく違う空気感が出来上がる。
そういえば、3年前のマスターとの会話をふと思い出す。
そのマスターはバイク乗り。以前、私が移住当初に行っていた
阿蘇のうちの宿になんと!泊まりにきた事があるそうだ。
そして、その時の”うちの宿”の印象はあまり良くない様だった。
その受け入れ側当事者である私は、当時は当然肩身狭い思いをしている。
そう考えるとココを人にススメたり、自分も行かなくなるのか?
ところが結果的に幾度も訪れたり、かなり人にオススメしている。
それは良い物は個人的私感ではなく、そこを訪れる方が満足する空間なら
それをちゃんと伝えるべきだと考え、これはお店に限らず宿紹介なども同じスタイル
その方が喜ぶであろう施設を考え日頃から実践している。
今回の経験を例えてみる。
A :雰囲気もスタッフも良い!
B: Aとまったく同じ店、ただお店の空気感あわない。
勿体ないと思うのは、Bに必要なのは装飾など設備投資などでお金がかかる点ではなく
ソフト面さえしっかり出来ればBはAになれる。
Bでも悪くはないが、口コミで人に薦めたいとは思えない。
もうひとつの見方をすると、そこを訪れる人の二ーズが違えばAよりBが
良い思う人がいるはずである。
つまりAとB、どちらが優れているかではなく
訪れるお客さんのニーズをどこに設定するか。
逆に言えばお客となる側がどこを求めるのか?
これを、”阿蘇び心”に置き換える。
”阿蘇び心”は自社売り100%を目指しており、オープン当初より今でも
2店舗共に国内は自社売り100%を実践している。
口コミ、リピーターさん、ネットで見つけて訪れて頂く事により
”阿蘇び心”を事前にどんな宿か知って、ワクワクして訪れてもらう事
目的が宿へ泊まるではなく”阿蘇び心”へ泊まる事になっているため
双方より良い雰囲気を作る事が出来る。
海外については、言葉や情報伝達の速度、方向性の面で
現在は一部WEBサイトに頼っている。
すると、今回私が経験した様にニーズの違いを感じるゲストさんが出てくる。
そうなると双方がもったいない気持ちになる。
宿を営む上において100%の支持、満足度は難しい!
しかし100%になるための気持ちと実践は大切である。
逆に、利用する側もネットや思い込みの情報に左右されない
自分に合う施設を選び、それにより楽しめる心!
ワクワクを持って訪れたなら•••
きっと本当の魅力に出会えるだろう。
完
2015年10月執筆 by.”阿蘇び心”吉澤 寿康(じゃけん)
⭐阿蘇び心6月19日(金)再開しました⭐
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